豹嚢天瑞墨

墨はこちらへ , 油烟墨はこちらへ


重さ:およそ22g
※重量は乾湿の状態で変化します。プラスマイナス5%程度の伸縮をみてください。
初代曹素功が創案した、「曹素功十八品」の第四墨、「天瑞」です。意匠は「豹嚢叢賞」八種十六笏のうちから「双蛟」を採用しています。

明代を継承した清朝の徽州製墨業にあって、新しい墨銘を創案し、新風を吹き込んだのが曹素功です。康煕年間といわれる曹素功の作例のなかでも、曹素功がその得意の墨をあつめてセットとした「豹嚢叢賞(ひょうのうそうしょう)」は、とりわけ華麗な輝きを放つものです。 「豹嚢」とは、豹の毛皮で作った皮袋のことです。湿気と過度な乾燥を防ぐことから、古来から貴重な墨を収納しておくべき袋とされていました。佳墨は「金より得難い」のであり、貴重で高価な豹の皮袋にしまうのですから、名墨の貴ばれた昔が偲ばれます。
宋代の名墨匠であった潘谷は、豹嚢に蓄えられた数々の墨を触るだけで言い当てたといいます。「豹嚢」とは、自ずから佳墨の集まりを想起させる言葉なのです。「豹嚢叢賞」は八種の墨がセットになっていますが、「紫玉光」「紫英」「天瑞」「蒼龍珠」「筆花」「文露」「青麟髄」「岱雲」があり、それぞれ曹素功が創案あるいは明代の旧称を受け継いだ得意の墨でした。
「豹嚢叢賞」における「天瑞」は、これも清朝初期の曹素功の套墨「十種天瑞」のなかの「詞伯」の形式を踏襲しており、すなわち玉石の加工様式のひとつ「珪(けい)」の中間を象った形式であるとされます。上辺には「ロータス」のレリーフをあしらい、二匹の蛟龍が対を為しています。「ロータス」は日が沈むと泥中に花房が沈み、太陽が昇ると再び水中から顔を出します。古代エジプトにおける死後の「復活再生」のシンボルであり、これが中国に伝わって神仙思想における死生観に影響を与えたといわれます。
対になった蛟龍は、馬王堆墳墓の図像に見られるように、背景となる「珪」と併せていわゆる「双龍穿璧」と同様の意味を為していると考えられ、やはり神仙思想と深く結びついた意匠です。曹素功を生んだ徽州は伝統的に儒教教育の盛んな土地ですが、同時に道教への篤い信仰がありました。儒教と道教は文化の担い手であった士大夫の社会の中で、互いに排除することなく同居していたといえるでしょう。
「龍」が「蛟」であるのは持ち主の身分をあらわしており、また素晴らしい文章が「玉璧」に喩えられることから、文房に似つかわしいデザインであるといえるでしょう。

「ロータス」と「双蛟」の紋様を埋める泥金には、純度の高い金泥を使用しています。「藝粟齋」と楷書の「天瑞」を埋める藍色の顔料には、天然鉱物を破砕した藍色の岩彩を使用しています。長期間保管しても、金や藍が退色することはなく、墨の意匠の生彩が損なわれることがありません。
使いつつ愛蔵いただければ、まさに清朝の古墨のような風格を帯びてくるようになるでしょう。
“天瑞“墨の配合は、”紫玉光”の材料配合を基礎としていますが、その色沢には若干の違いがあります。また「天瑞書巻墨」と同時期に作られ、両者はほぼ同様の配合ですが、漢方薬の配合により若干の性質の違いがあります。
曹素功の墨の特徴であるところの、濃墨で用いて紫光を感じさせる漆黒の光沢をもち、また希釈して淡墨で使用すればわずかに青ないし紫への傾斜を感じさせる、伸びの良い爽やかなグレーを発揮します。階調の広い、多彩な変化がお楽しみいただけます。滲みやすい生紙に使用すれば、しっとりとした艶のある深い漆黒を呈し、滲みの少ない加工紙の上では油烟本来の光彩を発揮します。
「天瑞書巻墨」と同じく、墨箱に古雅な意匠の宋錦(蜀錦)を使用し、内側は真綿を絹でくるんで墨を保護しています。特別仕様の墨箱には、ひと箱づつ題箋を貼り、題箋と蓋の内側にそれぞれ「曹素功氏」「藝粟齋」という印を押しています。この印は篆刻家の高黄鵬氏の作品です。
初代曹素功の手により創案され、紫玉光とならぶ高級墨であった「天瑞」を、その一部ではありますが再現することを目指しました。お楽しみいただければ幸いです。
※2008年の晩春に完成した墨です。2年ほど経過しており、すぐに使える状態ですが、さらに3年ないし5年寝かせることでより硬く引き締まり、成熟した墨に仕上がって行きます。
※手作業による製造であり、また乾湿の度合いによって、重さや寸法には若干のばらつきがでることがあります。予めご了承下さい。
定価 28,000円(内税)
販売価格 28,000円(内税)
購入数

この商品について問い合わせる
この商品を友達に教える
買い物を続ける

ご注文は土日祝でも(深夜でも)受け付けております。 ただ、受注確認や発送が休日明け(翌朝)になることがあります。 また、ご入金を確認できるのは金融機関の営業時間内になります。
(銀行振り込みの場合、午前9時から午後6時まで)    

管理人の徒然

断箋残墨記

買物袋

買い物袋の中身を確認

お探しの商品のお名前は?

商品の一覧へ

メールマガジン

お読みください

     

リンク

墨の産地徽州の最新情報