新老坑氷紋瓜様小硯

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縦:9.5cm   最大横幅:7.5cm   厚さ:1.1cm

※本品は天然を生かした不定形硯であるため、記載の寸法には若干の個体差が生じることをあらかじめご承知おきください。

石色は端渓硯ならではの深みある青紫色を呈し、落ち着いた趣の中に凛とした気品が宿っています。硯面、硯背にかけて縦ざまに数条の金線、水線が鋭く走り、墨堂左側には淡い氷紋が浮かび、老坑の眷属である証(あかし)となっています。

石質は新老坑の名にふさわしく、指でなぞればしっとりと吸い付くような温潤な手触りと重厚な質感をあわせ持ち、その細密な鋒鋩は、唐墨から和墨まで、いかなる墨をも軽やかに受け止め、見事なまでの発墨を約束します。

なだらかに凹んだ硯面は、小ぶりながらも墨液を湛えやすく設計されており、小さな佳墨からでも墨液を無駄なく引き出す工夫が凝らされています。墨を磨るにつれて、その凹みに自然と墨液が集まり、筆を浸すたびに滑らかな潤いが得られることでしょう。写経や小楷など、静かに机に向かう日々の手習いに、まさに好適な相棒となるはずです。

意匠の主題は「瓜瓞(かてつ)」——すなわち大小の瓜の連なりを表します。瓞(てつ)とは小さな瓜を指し、この語は『詩経』「大雅・緜」の冒頭、「緜緜(めんめん)たり瓜瓞」にその由来をたどることができます。古来、瓜の蔓は一筋に長く伸びて幾多の実を結ぶことから、一族の絶え間ない繁栄と、子々孫々にわたる家運の隆盛を願う吉祥の象徴として幅広く愛されてきました。

また「朱熹集伝」には「大を瓜と曰い、小を瓞と曰う」とあり、大小の瓜が同一の蔓に連なる姿は、長幼の序を重んじ、家族の絆を何よりも尊ぶ東洋の倫理観を体現するものでもあります。このため瓜瓞の図は、婚礼の調度や祝いの道具にもしばしば用いられ、人々の切実な願いが託されてきた歴史を持っています。

この瓜瓞の図像は、古来より端渓硯の作硯意匠としても珍重され、本品においては清朝期の古端渓に通じる、柔らかく浅い刻線によって実に上品に彫り上げられています。蔓(つる)のしなやかな曲線、葉のひろがり、丸みを帯びた実のふくらみ——いずれも手彫りならではの繊細な線遣いで表現され、近年の機械彫りには決して真似のできない、格調高い風雅が漂っています。

端正でありながら堅苦しさのない、この清らかなデザインは、机辺に置くたびに心安らぐひとときをもたらしてくれることでしょう。使い込むほどに硯面には潤いが増し、墨の艶とともに石肌の味わいが深まっていく——長きにわたる愛用に堪えうる、まことに優美な一品です。

※木製の箱入りにてご提供します。
販売価格 50,000円(内税)
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